ABOUT 2020年6月5日、ジョン・スコフィールドはECM(1969年にマンフレート・アイヒャーがドイツのミュンヘンに創設)からリーダー作「Swallow Tales」をリリースする。修行者、仙人のようなミュージシャンが多いECM Recordsからついに。とは言え、元来、仙人のようなギターリストだけれども。 タワーレコード渋谷店がまだ宇田川の東急ハンズ近くにあった頃、ジョン・スコフィールドを雑誌で知り、発売されたばかりの「Flat Out」を買いに行った。ジャケットは凡庸だった。ギターを抱えた本人のみ。それでも何だか嬉しくて、ダブルチーズハンバーグを食べにゴールドラッシュへの階段を下った。 当時のタワーレコードは、CDを10枚も購入するとパッケージのゴミが大量に溢れた。CDケースの本体以外に2倍縦長の紙ケース。今にして思えば買い応えがあってよかった。タワーレコードが全店そうかといえば違う。同時代にニューオーリンズのタワーレコードへ行ったが、CD本体のみが棚に並んでいた。その他の店舗は分からない。いずれにしろあの方式はいつから無くなったのか。写真に残しておけばよかった。 部屋に戻り、「Flat Out」を聴いたところ、ギタースタイルにとても驚いた。フレーズがうねるように外れてアウトしていく。ジャケットを眺めながら聴いていると本人の後ろは摩天楼の暗い背景ということに気付いた。ダ・ヴィンチのモナリザの背景も荒涼とした暗い描写。似ている。「Flat Out」をモナリザと呼んだ。一人として同意した友達はいなかった。少し経って幸運にもジョン・スコフィールドがジョー・ロヴァーノと六本木ピットインへ来日したときにライブを観ることができた。一言、圧巻だった。 ECMのジャケットは極めて美しく、部屋に並べて飾っていた。文字だけのジャケットもあるけれど、絶妙なバランスで素敵に思える。そしてじっとジャケットを見つめていると音が聴こえてくるような気がする。心象風景、心の奥底からのイメージ、遠い記憶。ECMを聴いていればかっこいい大人になれる気がした。村上春樹の『国境の南、太陽の西』にでてくる青山のバーではECMが流れていると想った。 初めて買ったECMは キース・ジャレット「ザ・ケルン・コンサート」ECM 1064/65。4曲目のPart II cを何度も聴いた。インタビューで“私が弾いているのではない。神が私の体を使って弾いている。”という旨の発言をみた。それ以来、キース・ジャレットの演奏中の呻き声は無視することにした。そして「平均律クラヴィーア曲集 第1巻」ECM 1362/63、「平均律クラヴィーア曲集 第2巻」ECM 1433/34。震えた。「ゴルトベルク変奏曲 BWV988」ECM 1395、とてもとても美しいジャケットで完璧。八ヶ岳高原音楽堂、まさか日本での録音だったとは。インタビューでゴルトベルク変奏曲を選んだ理由は、との問いに“この曲を私が選んだというよりは、作品の方が私を選んだということです。”きっと霞を食べて生きているはず。 音作りのコンセプトは「沈黙の次に美しい音」。ECM Recordsをずっと追いかけていく。 ”The Most Beautiful Sound Next To Silence”Happy 50th anniversary ECM Records.Take it easy on my site.All photos on this site are by UD since 30/06/2012.
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2020年6月5日、ジョン・スコフィールドはECM(1969年にマンフレート・アイヒャーがドイツのミュンヘンに創設)からリーダー作「Swallow Tales」をリリースする。修行者、仙人のようなミュージシャンが多いECM Recordsからついに。とは言え、元来、仙人のようなギターリストだけれども。
タワーレコード渋谷店がまだ宇田川の東急ハンズ近くにあった頃、ジョン・スコフィールドを雑誌で知り、発売されたばかりの「Flat Out」を買いに行った。ジャケットは凡庸だった。ギターを抱えた本人のみ。それでも何だか嬉しくて、ダブルチーズハンバーグを食べにゴールドラッシュへの階段を下った。
当時のタワーレコードは、CDを10枚も購入するとパッケージのゴミが大量に溢れた。CDケースの本体以外に2倍縦長の紙ケース。今にして思えば買い応えがあってよかった。タワーレコードが全店そうかといえば違う。同時代にニューオーリンズのタワーレコードへ行ったが、CD本体のみが棚に並んでいた。その他の店舗は分からない。いずれにしろあの方式はいつから無くなったのか。写真に残しておけばよかった。
部屋に戻り、「Flat Out」を聴いたところ、ギタースタイルにとても驚いた。フレーズがうねるように外れてアウトしていく。ジャケットを眺めながら聴いていると本人の後ろは摩天楼の暗い背景ということに気付いた。ダ・ヴィンチのモナリザの背景も荒涼とした暗い描写。似ている。「Flat Out」をモナリザと呼んだ。一人として同意した友達はいなかった。少し経って幸運にもジョン・スコフィールドがジョー・ロヴァーノと六本木ピットインへ来日したときにライブを観ることができた。一言、圧巻だった。
ECMのジャケットは極めて美しく、部屋に並べて飾っていた。文字だけのジャケットもあるけれど、絶妙なバランスで素敵に思える。そしてじっとジャケットを見つめていると音が聴こえてくるような気がする。心象風景、心の奥底からのイメージ、遠い記憶。ECMを聴いていればかっこいい大人になれる気がした。村上春樹の『国境の南、太陽の西』にでてくる青山のバーではECMが流れていると想った。
初めて買ったECMは キース・ジャレット「ザ・ケルン・コンサート」ECM 1064/65。4曲目のPart II cを何度も聴いた。インタビューで“私が弾いているのではない。神が私の体を使って弾いている。”という旨の発言をみた。それ以来、キース・ジャレットの演奏中の呻き声は無視することにした。そして「平均律クラヴィーア曲集 第1巻」ECM 1362/63、「平均律クラヴィーア曲集 第2巻」ECM 1433/34。震えた。「ゴルトベルク変奏曲 BWV988」ECM 1395、とてもとても美しいジャケットで完璧。八ヶ岳高原音楽堂、まさか日本での録音だったとは。インタビューでゴルトベルク変奏曲を選んだ理由は、との問いに“この曲を私が選んだというよりは、作品の方が私を選んだということです。”きっと霞を食べて生きているはず。
音作りのコンセプトは「沈黙の次に美しい音」。
ECM Recordsをずっと追いかけていく。
”The Most Beautiful Sound Next To Silence”
Happy 50th anniversary ECM Records.
Take it easy on my site.
All photos on this site are by UD since 30/06/2012.